2025年3月、政府は南海トラフ巨大地震に関する新たな被害想定を公表しました。これにより、被害の範囲や規模が従来の想定よりも拡大していることが明らかになりました。本記事では、最新の被害想定や警戒情報、そして私たちが取るべき対策について詳しく解説します。
南海トラフ巨大地震とは?
南海トラフ巨大地震は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で発生する可能性のある大規模な地震です。
過去にも100〜150年の周期で発生しており、前回の発生からすでに約80年が経過しています。
政府の地震調査委員会は、今後30年以内に約80%の確率で発生すると予測しています 。
最新の被害想定(2025年3月公表)
政府の中央防災会議は、南海トラフ巨大地震が発生した場合の被害想定を見直し、以下のような新たな予測を発表しました:
最大震度:静岡県から宮崎県にかけての一部で震度7が想定され、周辺の広い地域で震度6強から6弱の強い揺れが予想されています。
津波の高さ:関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域で、10メートルを超える大津波の襲来が想定されています 。
死者数:最大で約29万8千人が死亡する可能性があり、そのうち津波による死者数は約21万5千人とされています 。
経済被害:経済被害額は最大で約292兆円に上ると推定されています 。
また、避難行動が困難となる30センチ以上の浸水域は、前回の想定より約3割増加し、最大震度7が想定される自治体も全国で143市町村から149市町村に増加しています 。
南海トラフ地震臨時情報とは?
気象庁は、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合や地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合に、「南海トラフ地震臨時情報」を発表します。
この情報には「調査中」などのキーワードが付記され、政府や自治体から防災対応が呼びかけられます 。
私たちにできる備え
南海トラフ巨大地震に備えるために、以下の対策を講じることが重要です:
避難経路と避難所の確認:自宅や職場から最寄りの避難所までの経路を確認し、家族と共有しておきましょう。
非常用持ち出し袋の準備:水、食料、懐中電灯、携帯電話の充電器、常備薬などを含む非常用持ち出し袋を用意しましょう。
情報収集手段の確保:ラジオやスマートフォンを活用して、気象庁や自治体からの最新情報を常に確認できるようにしておきましょう。
家庭内の安全対策:家具の固定やガラス飛散防止フィルムの貼付など、家庭内の安全対策を講じましょう。
地域の防災訓練への参加:地域で実施される防災訓練に積極的に参加し、災害時の行動を身につけましょう。
まとめ
南海トラフ巨大地震は、今後30年以内に高い確率で発生すると予測されており、被害の規模も甚大です。最新の被害想定を踏まえ、日頃からの備えと情報収集が非常に重要です。一人ひとりが防災意識を高め、適切な対策を講じることで、被害を最小限に抑えることができます。