電源タップを何本も使い、複数の電化製品を一か所から同時に使用する「タコ足配線」。一見便利に思えるこの配線方法ですが、実は非常に危険なリスクを伴っていることをご存じでしょうか?この記事では、タコ足配線の危険性、火災などの事故につながる原因、安全な使い方について詳しく解説します。
タコ足配線とは?
タコ足配線とは、1つのコンセントに電源タップや延長コードを接続し、さらにそのタップから複数の電化製品を接続することを指します。まるでタコの足のように何本ものコードが分岐することから、このような名称が付きました。
日常生活やオフィスでは見慣れた光景ですが、実際には電気の許容量を超える「過電流」や、「トラッキング現象」による火災リスクが非常に高くなるのです。
タコ足配線が引き起こす主な危険
1. 火災のリスク
タコ足配線によって最も多いのが火災事故です。電源タップやコンセントには、使用できる電力(W数)の上限があります。複数の高電力機器(ヒーター、電子レンジ、ドライヤーなど)を同時使用すると、過電流が発生し発熱、最悪の場合発火します。
また、ホコリや湿気がたまりやすい場所でタコ足配線をすると、プラグとコンセントの間で電気がリークし「トラッキング現象」が起こりやすくなります。これも火災の原因のひとつです。
2. 感電の危険
差し込み口が増えることで、コードの接続部分に負荷がかかり、破損しやすくなります。そこから内部の金属部分が露出し、触れてしまうと感電する可能性があります。
3. ブレーカーが落ちる・電力不足
過剰な電力消費により、家庭のブレーカーが頻繁に落ちるようになります。これによって他の家電製品への電力供給も不安定となり、故障の原因になることもあります。
4. 転倒や事故の原因
コードが多くなることで床にコードが散乱しやすくなり、足を引っかけて転倒するリスクが高まります。特に高齢者や子どもがいる家庭では要注意です。
タコ足配線が特に危険な家電製品
以下のような電化製品は、特に消費電力が高くタコ足配線には適していません。
- 電気ストーブ・ファンヒーター(1000W〜1500W)
- 電子レンジ(1000W前後)
- ドライヤー(1200W以上)
- 電気ポット
- 炊飯器
- 洗濯機・冷蔵庫(常時通電機器)
これらは専用のコンセントから直接接続するのが基本です。
タコ足配線にならないための対策
1. コンセントの配置を見直す
使用頻度の高い家電の近くに、必要な数のコンセントを設けることが大切です。増設工事も検討しましょう。
2. 電源タップは信頼性のある製品を選ぶ
雷ガードや過電流防止機能の付いた電源タップを選び、PSEマークがついた製品を使用しましょう。また、タップ自体の定格容量(最大ワット数)を確認し、それを超えないように使用することが必要です。
3. 定期的な点検・交換
電源コードは消耗品です。外装が破れていないか、タップが変色していないかなどを定期的に確認し、異常があれば速やかに交換しましょう。
4. 使用しないときは電源をオフ
電源タップにスイッチがある場合は、使用していないときにこまめに電源をオフにすることで、通電時間を減らし発熱リスクを下げることができます。
まとめ
便利そうに見えて、実は非常に危険な「タコ足配線」。火災・感電・転倒といった重大事故を引き起こす要因となるため、使い方には十分な注意が必要です。
延長コードや電源タップを使用する際は、定格容量を守り、消費電力の高い機器とは併用しない、コードが絡まないようにするなど、基本的なルールを守ることで安全に利用することができます。
家庭やオフィスの安全を守るために、今日からでもタコ足配線の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
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